
(この図は、http://www.meti.go.jp/policy/newmiti/mission/2007/web_1/sousetsu04.htmより転載・加工しました。)
繰越欠損金の繰り戻し還付は、繰越欠損金の翌期繰り越しよりも損になるんですか?
法人の税金計算の際、今期赤字になった企業に対しては、
従来はこのように説明していました。
『今年の赤字は来期以降の黒字と相殺できます。』
でも今は、加えて次の説明が必要です。
『今年の赤字は前期の黒字とも相殺できます。前期の黒字と相殺すると前期分の法人税が還付されますが、どうされますか?』
この時の注意点は、法人税は還付されるが、市県民税は還付されないと言う事。(法人税の還付制度ですからね。)
ここまで説明すると、だいたい聞かれます。
『繰越欠損金の繰り戻し還付は、繰越欠損金の翌期繰り越しよりも損になるんですか?』
今期の赤字を翌期の黒字と相殺すれば、翌期は法人税ばかりか市県民税も安くなります。
が、
今期の赤字を前期の黒字と相殺しても、還付されるのは法人税だけ。
これは損ですよね、と言う主旨の質問です。
結論は、赤字が全額相殺できれば損得はない、です(注)。
詳しい説明は省略しますが、繰越欠損金の繰り戻し還付を行っても翌期の市県民税は安くなるようになっていて、全体で考えると金銭的な損得はありません。
税金計算は上手くできていますね。
なお、資金繰り面からは、繰越欠損金の繰り戻し還付の方が有利ですね。一旦入金されますから。
余談ですが、『繰越欠損金の繰り戻し還付』は、還付請求なので税務調査が前提のようです。
消費税の還付申告の際も一定額以上は調査が有りましたから、これと同じですね。
(注)
法人税の税率が22%→18%に下がりましたね。
このため、有利不利が生じる場合があります。
前期の税率は22%だけれども、今期以降は18%となる際には、未来の18%の軽減よりも、過去の22%の取り戻しの方が、メリットがありますよね。
また、上記以外でも条件によっては有利不利が生ずる場合があります。
選択の際には、前提条件を付しての試算が必須です。
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税理士・ITC 川中重司
繰越欠損金の繰り戻し還付は損になる?